ヴァン・グリ

ヴァン・グリは、シャンパーニュ地方と1600年前後のアルザス地方の一部で造られた、優れた「ほとんど白」のワインの呼称である。

当時は、若い白ワイン（ピンクやロゼの微妙なニュアンスを持つ）が多く、樽に詰められてイギリスへ運ばれた（サン・エヴルモンドも参照）。春の暖かな気候は、樽の中で二次発酵を起こすこともあった。その結果、すでに勢いよく発泡していたこれらのワインは、イギリスで樽から瓶に移され、暖かいセラーで発酵が続けられた。イングランドでは、ポルトガルやスペインとの活発な交易（ビールやエール瓶の密封用も含む）のため、オーク・コルクが古くから使われていた（現在シャンパーニュ地方で頻繁に使われている原始的な麻や木の栓とは対照的）。原始的な シャンパン この地域のワインは、ドン・ペリニヨンやフレール・ジャン・ウーダールより20年ほど前に、すでに完璧なものだった。
ヴァン・グリという言葉はカリフォルニアで小さなルネッサンスを迎えており、非常に優れた、多かれ少なかれピンク色をしたワインがこの名前で知られるようになっている。

シャンパーニュ地方とその周辺で栽培されていた、品格のある古いブドウ品種ピノ・グリ（旧名フロマントー）も、ヴァン・グリと呼ばれるようになった一因かもしれない。ピノ・グリはその後、シャンパーニュ地方のシャルドネ種に取って代わられた。ピノ・グリは、有名なピノ家のブドウ品種である。熟すと灰色からピンク色になる。ドイツでは、この品種はリュレンダーとして知られている。今日でも、アルザスではトカイと呼ばれることがある（ただし、「トカイ」は実際にはハンガリーの有名なワインの名前である）。16世紀にはすでに、シャンパーニュ地方のピノ・グリとピノ・ノワール（当時は'モリヨン・ノワール'と呼ばれていた）から造られる優れたワインが重要視されていた。その間、高品質のピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネがシャンパーニュ地方に定着した。しかし、有名なセラーマスター、ドン・ペリニヨンは当時、ピノ・グリという品種をよく知っていたに違いない。

 

 

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